今年も残りわずかとなりました。年々時の流れが早くなっているように感じます。
さて表題の件ですが、
平成28年12月8日に平成29年度税制改正大綱が公表されました。
税制改正大綱というのは翌年度以降の税制の改正法案を決定するのに先立って毎年12月に公表される原案のことです。
所得税の配偶者(特別)控除など多くの方が関心のある改正もありますが、ここでは相続税・贈与税に関する改正をいくつか挙げたいと思います。
① タワーマンション(高層階)の固定資産税の増税
現状、タワーマンションにかかる固定資産税は1階も最上階も同じです。(床面積が同じ場合)
しかし、実際に購入する場合は上の階に行けば行くほど高いことがほとんどです。
購入する金額は違うのに、かかる固定資産税が同じというのはおかしいということで今回、高さが60mを超えるマンションの高層階に関しては増税されることになりました。
計算方法は、
1階を100として階がひとつ上がるごとに10を39で除した数を加えた数値とする。
つまり、10階⇒(10階-1)×10/39=2.3%
40階⇒(40階-1)×10/39=10%
1階に比べると10階は2.3%、40階は10%税金が高くなるということです。
マンション一棟あたりの総額は変わらないため、高層階が増税になるということは低層階は減税になります。
この改正は平成30年度から新たに課税されることとなるマンション(平成29年4月1日前に売買契約が締結された住戸を含むものを除く)について適用されます。
※不動産取得税も同様の計算方法なので高層階は増税になります。
② 取引相場のない株式の評価の見直し
非上場株式を評価する計算方法のうち『類似業種比準方式』が見直しされます。
・類似業種の上場会社の株価について、現行に課税時期の属する月以前2年間平均を加える。
⇒対象期間が広がるので評価額が下がる可能性があります。
・類似業種の上場会社の配当金額、利益金額及び簿価純資産価額について、連結決算を反映させたものとする。
・配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重について、1:1:1とする。
⇒現行は、配当金額1:利益金額3:簿価純資産価額1なので利益が出ている会社は評価額が下がります。
この改正は平成29年1月1日以後の相続等により取得した財産の評価に適用されます。
③ 広大地評価の評価方法の明確化
現行の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直すとともに、適用要件を明確化する。とのことです。
これに関して現時点では具体的な方法は記載されていませんが、要件が明確になるということは否認されるリスクも減ります。広大地の評価に悩まされることがなくなることに期待しています。
この改正は平成30年1月1日以後の相続等により取得した財産の評価に適用されます。
以上、今回公表された税制改正大綱から3点ほど紹介させていただきました。年明け早々に改正する予定のものもありますのでしっかりと対応していきたいと思います。
(注意)上記はあくまでも大綱です。税制改正法案の可決は3月、施行は4月からとなり
ます。変更等ありましたら当ブログで随時お伝えしていきたいと思います。